不動産の相続税対策
前回、間違った相続税対策を投稿しましたが、今回は現金でアパートを建築した場合の相続税は
どのようになるのかを学んでみたいと思います。
まずはわかりやすくするために、建築しなかった場合の相続税の計算からです。
相続遺産は、土地(更地)5,000万円 + 現金5,000円 = 1億円(相続税評価額)の場合
〇相続税の計算その1
1億円(相続税評価額) - 4,800万円(基礎控除) = 5,200万円(課税遺産総額)
相続税315万円となります。
では、アパートを建築した場合はどのようになるのか計算してみましょう。
土地(更地)5,000万円にアパートを建てると、
相続税評価額5,000万円×(1-借地権割合60%×借家権割合30%×賃貸割合100%)=4,100万円・・・①
更地にアパートを建てたことで評価額が低下
現金5,000円でアパートを建築すると、
固定資産税評価額2,500万円(5,000万円×50%)×(1-借家権割合30%×賃貸割合100%)=1,750万円・・・②
現金5,000万円をアパートに替えたことで評価額が低下
相続税評価額=①+②=5,850万円
〇相続税の計算その2
5,850万円(相続税評価額) - 4,800万円(基礎控除) = 1,050万円(課税遺産総額)
相続税52.5万円となります。
なにも対策をしないのと対策をするのとでは相続税が262.5万円も変わってきます。
もうお分かりかと思いますが、相続対策とは、更地の評価を下げること、現金を建物に変えることによって遺産総額を下げることを意味します。もっとわかりやすく説明すると、現金1,000万円で車を購入して、現金が車に代わり、2~3年後その車を現金に戻すと、もう1,000万円にはならないですよね、価値が下がっています。(まれに需要があれば高く売ることもできるとは思いますが)現金と土地の価値を下げる、そしてその資産に税率を掛ける、相続税が安くなるという仕組みです。